ビリテの悩み

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 タレンは私に八つ当たりしているのです。  タレンは嫉妬しているのですよ、レーベン。  あなたが最近頑張って仕事ができるようになったことを、ご主人様は毎日のように褒めていらっしゃいます。それがタレンは気に食わないのです。  タレンは最初からなんでもできるので、ご主人様はレーベンと同じようにタレンを褒めることはなさいません。  それに、タレンは私がご主人様に料理を習い始めたことが、この上なく気にいらないのです。  タレンもあなたも、料理に携わったことはありません。出来損ないの私に先を越されたのが、悔しかったのでしょう。  タレンが私の手伝った料理だけ残すのは、そういうことです。  ご主人様は私の可能性を信じて、それはそれは優しく教えてくださいます。  失敗は成功の元という言葉を教わりました。失敗しても、ご主人様はタレンのようにお怒りになることはありません。おかげで、私はお料理なら上手にできそうです。
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