ノームの身の上話

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ノームの身の上話

 ノームはその土地の精霊という呼び方をされますが、実際には地縛霊のようなものです。  私たちは土から生まれ、土に還ってを繰り返します。  土の中では、意識のあるまま眠っています。暗い虚空(こくう)で、一人でじっとしているのです。孤独なものです。  私たちが地上で自由に動き回ることができるのは、土の中で眠っている約十分の一ほどの時間しかありません。  私たちは地上で、その土地に住む老人様の世話をします。掃除や洗濯などの家事全般、家畜の世話、ご主人様の話し相手など、仕事の種類は様々です。  若い人間様は、みんな王宮に住んで働いています。役目を終える、すなわち歳をとって働けなくなると、王宮の外に出されます。王宮の外は、枯れた草木がかろうじて生えているだけの荒れた土地です。  それが、この国の習わしなのです。
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