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少女の真っ赤な視線がまっすぐに襲ってくる。わたしは怖くなって、思わずその子から目をそらす。すると、その赤いまなざしも、同じタイミングでそれていった。
ようやく、真紅にそまってしまった視界から解放される、と思った次の瞬間、わたしは目の前の光景を疑ってしまった。
呪いにでもかかってしまったのだろうか。わたしの眼を通して視ることのできる世界は、すべてが真っ赤にそまったんだ。
つまり、わたしは赤い壁紙が貼られ、赤い絵の具で描かれる絵の飾られている、赤いにおいにつつまれた部屋にいるのを知ることとなった。
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