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痴呆宇宙神
神界では、エロフェアリー化したジョナサンが、釈然としない表情でエラルの周りをヒラヒラ飛んでいた。
「おい、エラル。カリクスはどこにいるんだ?さっき会った常に屁えこいてる太ったおっさんは何だ?察するに神なんだろうが」
「ええ?ありゃあ屁の神バボーンなのでぃいす。宇宙であんたを祝福した神の一柱でぃいす」
「あんなのが?!あんなのが神だと?!ただの不潔なおっさんだろうが!それで、おっさんの屁に嫌な顔してた赤髭のおっさんはあれだろ?!火神マルグリウスだろ?!何で同じ空間にいることになってんだ?!」
マルグリウスと聞いて、ジョナサンはイゾルテをもらいに行った時のことを思い出した。マキシマス・フレイアはかつて宮廷に仕える魔法使いで、火神の二つ名で知られていた。
父親は性的に全く真っ当な男で、星を救ったジョナサンに対する深い信任があった。涙を流して性的に迷走していた娘の輿入れを許したのだった。
既にイゾルテはこっそりマリオンを妊娠していたのだが。
「これ以上ハブると大変なのでぃいす。ブリューオイステルとオルケウスの二の轍を踏むわけにはいかないのでぃいす」
「そいつ等に何があった?」
「やさぐれた拗れ童貞とゲイの残念な兄弟神なのでぃいす。こっちじゃ完全にハブられてアースワンに都落ちしているのでぃいす。神達は彼等が顔を出す度嫌な顔して去っていったのでぃいす。とても陰湿な扱いを受けて兄弟は心底傷ついてアースワンにぼっちでい続けているのでぃいす。彼等はアースツーの神を恨んでいるのでぃいす」
「どこまでしょうもないんだお前等」
「そうもいってられねえのでぃいす。神達が集結した時、ラグナロクプログラムが発動するのでぃいす。最早猶予はありはしねえのでぃいす。間もなくアースツーは消滅し、新たな星アーススリーの誕生なのでぃいす」
本当か?なら猶予はない。ユノも、フランチェスカもミラージュもイゾルテもエメルダもアリエールも消えてしまうのか?
こんなインチキ勇者を愛してくれた彼女達を救えないで何が男だ。勇者を気取るのか?
ニュクスは古く強大な神だという。
ニュクスをどうにか出来るのは、ニュクスと同じく古い神で、対抗出来るのは宇宙神カリクスだけらしい。
一刻も早くカリクスに会い、助力を得なければならない。
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