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魔神皇両断
龍の子太郎の伝説よろしく、鳴神の背に乗った流紫降は、天神断御剣を振るい、東京都を覆う闇の天蓋に向かっていった。
「流紫降様!いよいよお気をつけください!あの壁は尋常ではありませぬ!」
「解るよ鳴神さん。あれをやっているのはヤコじゃない。もっと、遥かに恐ろしい存在が敷いている。でもね、この剣があれば、いけるよ。相手は何だか解らないが、向こうは今それどころじゃないみたいだし、力は散漫になっている。おざなりに覆っただけで、誰も立ち向かえないなんて思い上がりだよ。僕だって、碧だっている。父さんだって!こんな事で終わったりはしない!必ず帰ってくる!僕は父さんのサポートに徹する!父さんの敷いた花道だよ!道を切り開く!ついてこい龍姫鳴神!」
強い強い意気を受け、鳴神は咆哮を上げて速度を上げた。
そして、流紫降は剣を大きく振りかぶり、闇の天蓋を縦に切り裂いた。
闇が弾けて、空には冴え渡る春空が広がった。
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