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夜明けのそれから
「いいよ、どこにいこうか。」
あれから、何度思い出しても信じられなくて
ふわふわ、流されるように今日まできてしまった
今日はもう、当日だというのに
現実感のないまま、待ち合わせ場所に
走りよる私に、手を振る明日佳、隣で笑う、明日佳をぼーっと見つめる私
なんて、こんなの、こんなの私たちじゃない
ずっと見てきたから、想ってきたから、もっとうまくやるはずだったのに
もっとちゃんと準備して、おしゃれして、ちゃんと楽しむはずだったのに
遅刻して、焦って、恥ずかしくて、ろくに喋れもしないまま、気づいたら夕方なんて
ありえない、私は、なにをやってきたんだろう、なにしにきたんだろう
「充をみてると楽しいよ、またどこか、一緒にいこう」
ああ、そんなふうに笑わないで、またおかしくなるから
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