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ジョニーは、素早く行動を開始。
工具箱から必要なトンカチなどを取り出すと、
窯の中に半身ごと入り込み、中を点検すると
「俺がなんとかしてやるよ」と頼もしい呟きを洩らす‥その顔には所々、黒いすすが付着して
白い歯を強調する。
いかにも、あざとい手法だが、より高感度な
母娘間☆テレパシーで確認し合うや否や、
「お、お願いしますぅ〜」とママ、
あっちゅう間に陥落すす。
それを聞いたジョニーは、
シャツの袖口を捲り上げる、
程良く逞しい腕は、ムダ毛処理も完璧、
噛み締めたくなるようなフォルムの
仕事人の腕に、ママの瞳孔はいつになく
キラ星のように、開いちゃってた。
「マダムは話が早いね?
‥っと、旦那の答えはまだ聞いてない、や?」
この頃、不況の煽りで被害妄想症をも患っていた
パパ、
「もしかすると親切なフリからの〜ボッタクリ
じゃね?」と、この段階で既に目が怯えており、
「わ、悪いけどあ、アンタに払える金なんて
ウチには1リラも無えんだ!
他の店を当たってくんなっ」なんて言い出す始末‥。
「まぁ何言ってるのっ?
窯はっ、窯はアンタの、ピッツァ職人のっ、
命じゃないのっお金の心配なら
アタシがなんとかするからさっ」とママ、
何を思ったか、健気なピザ屋の女将に
華麗なる変身を遂げたではないか!
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