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窯は一から組み立てられた。
覚醒後、ヒロシは自ら、
DIYの達人☆ジョニーの手伝いを始めた。
当然、足手纏いだ‥が、
ジョニーは妥協を許さない‥が、
「ってかここまで来たら、イイもん造んなきゃ話に
なんねえだろ?」
「それはお前さんの仕事だろ?」等、
神経質で小心者のヒロシの心を
鷲掴みにするSなセリフを
ちょくちょく更新するせいで、
田舎育ちの彼の無垢なハートはますます、
「覚醒☆萌え萌えチェンジーーーー♡」とばかり
萌え上がり、それはもう毎日、
力仕事に精魂を込めてガンバッたそうな。
そんな健気なパパ👨ヒロシの上を行くように
今まで怠惰を絵に描いたようだったママの態度も、
一変し、朝には
店中のテーブルクロスを洗濯し、
パリッと糊を効かせて、
各テーブルには小さな花を飾り、
軒先の観葉植物には水を与えたそうな。
夜には、納戸に押し込まれていた、
イルミネーション用の豆電球を
それらの木に巻き付け、点灯すると
一気に店の趣きは幸せ色の華やぎムード‥でな。
「その3週間はまるで御伽の国の昔話の中にいる
ような気分だった‥。」と、
アンナマリアも、後世、ファッション誌の
インタビューにて、語っていたものだった。
まあ、そんなこんなで
窯は見事に息を吹き返した。
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