第1話 ◎◎な理由

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「だから、ボーイズラブしたいわけ。」 「ボーイズラブって、同人誌の?」 「そう。」 それって、カミングアウトってこと? 自分の言いたいことだけ言って、何もなかったように、手早く、私が、寝ているダブルベットの毛布をもって、居間のソファに行くだんな。 「明日、俺の部屋を寝られるようにしておいて。」 しれっと言い切るところが、憎らしい。 私は、家政婦ですか? だいたい、つきあっていた頃から、あなたは、BLが好きで、自分の両親に見つかるのが、嫌だから、勝手に、わたしの名前と住所で、同人誌を通販して、おまけに、私の部屋に、買ったものを放置していましたよね。 私は、自分の両親に、あなたの同人誌を見つからないようするのが、大変だったの。 デートは、ほとんどコミケで、女の人ばっかりだから、はずかしいって、自分のお目当ての作家さんの所に、買いに行かせましたよね。 ブースが、かなり大勢の人で、混んでいるにも関わらず。 宝物だ!って、言って、買った同人誌を整理してくれないし、あなたの部屋も、もう、同人誌が、積まれていて、いっぱいです。 この家の居間だって、あなたの同人誌が、占拠しています。 おかげで、私達二人の両親、どちらもこの家にこられないのですけど・・・。 言い出したらきりがない。 言い出した本人は、もう居間の電気を消して、寝ているみたい。 憎らしいから、少し経ったら、喉が渇いたふりをして、電気をつけて、起こしてやろうかしら。
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