第1話 ◎◎な理由

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次の朝、朝ごはんの用意をし、ゴミだしの準備をして、こんなに主婦業しているのに、だんなは、居間にあるお気に入りの同人誌を真剣に、朝から寝ていたソファで、読みふけっている。 だんなに手伝ってもらうと、倍手間が、かかるから、朝、だんなに頼んでいるのは、ゴミだしだけ。 ついでに言えば、だんなは、ゴミをぐちゃぐちゃに捨てるから、ゴミを分別するのに、私は、かなり時間が、かかって一苦労。 いつも注意するけどできないの。 ほんとに、この人、研究者?って、思うぐらい雑。 「ごはんが、できました。」 怒っているのですけど、私。 そんなに同じ物を何十回も読み返して、面白い? おまけに、表紙は、ぼろぼろ。 特に居間の同人誌は、お気に入りって、言って私に、触らせてもくれない。 そのくせ散らかしているくせに。 あなた、確か最初のデートの時、喫茶店で、少女まんがを、好きな私に、BLの方が面白いって、熱弁をふるいましたよね。 私もあなたに、話を合わせるために、仕方なく、BLを読みましたが、確かに面白いです。 だから、あなたの趣味に、私は、これまで文句を、いったことは、ありませんでした。 「ごはんです。」 怒気を含んでいっても、だんなは、読んでいる同人誌に夢中で、動こうとしない。 あなたは、ごはんを食べるだけだけど、私は、女の人だから、ごはんを食べた後、化粧をしたりして、時間がかかるの。 近づきたくないけど、だんなの後ろに立って「ごはん。」という。 だんなは、さも聞こえなかったように、振り返って、「できたの?」 振り返った時のだんなのくりくりした瞳は、リスみたいで、かわいいのですが・・・。
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