第1話 ◎◎な理由

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今日は、だんなの好きな和食、焼いた塩鮭と味噌汁とご飯。それに納豆。 今日の朝ごはんは、私の好きな洋食が良かった。 朝ごはんは、二人の意見を尊重して、洋食と和食を交代で食べている。 私は、洋食も和食も、そんなに変わらないと思うけど、だんなは、朝、和食だと、良いアイデアが浮かぶし、特に朝、焼いた魚と味噌汁の匂いで、やる気が出るから、全然違うって言うの。 最近は、体に良いって主張するから、焼き魚は、必ず焼いた塩鮭。 簡単に、鮭フレークで、済ましてほしい。 おまけに、だんなは、白いごはんに、ぬかづけがあると幸せって、わざわざ、知人から、ぬか床を分けて、もらってきて、毎朝、ぬか床をかき回している。 だんなの手が、男のくせに、きめが、細かいのは、そのせいかしら。 今朝、起きたら、お手製のなすときゅうりのぬか漬けが、和食を食べたいと言わんばかりに、しっかりテーブルにのっていて、昨日のこともあって、げんなり。 これじゃ、いくら海外が、和食ブームっていっても、純日本すぎて、海外はむりよね。 だんなには、海外の研究機関からお呼びが、かかるような優秀な頭は、ひいき目に見て、ないとおもうけど。 私が、食後のお茶を飲むためのポットを、台所に取りに行っていたら、だんなは、ちゃっかり食卓に座って、もう食べ始めている。 目の前にご飯があると、だんなが、飛びつくのは、いつものことだけど、今朝は、気に障る。 おまけに、だんなは、めちゃくちゃ早食い。 私は、慌てて昨日のことを聞くために席、についた。 「あのさ、昨日の話しだけど・・・」 「話って?」 だんなが、口の中にご飯を目一杯いれて、もごもご話すと、やっぱりかわいい。
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