ひとつ

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ひとつ

 行為に進むにあたり、ある提案をすると、彼女は顔をしかめた。 「やだ、されながらするとか無理っ」 「お前が感じつつ奉仕する姿で興奮したい」 「志摩くんのエッチ! だいたい、そういう体勢じゃ見えないでしょ?」  バレてる。こういうとき、AVみたいに相手の顔のアップが映し出されればいいのに。  本気で拒まれたら諦めるつもりで粘ってみる。 「すこしだけ。どうしてもイヤ?」  由良アヤカは懐疑的な表情で言った。 「私が感じやすいの分かってるよね。いじめたら噛んじゃうよ?」 「それは全力で回避したい。肝に銘じます」  彼女は仕方ないなぁと微笑する。  それから俺の分身に顔を向け、側面を丁寧に舐めた。火花のような快感がゾクゾク這い上がってくる。  俺は、目の前にある秘部に舌を這わせた。相手が甘い息を漏らす。いわゆるシックスナインの体位で、互いを責める。  彼女の口淫を阻まないよう、こちらからは穏やかな快楽を送る。それでも由良アヤカは時折、敏感に反応して腰をくねらせた。  俺の下半身に与えられる刺激は容赦ない。巧みに舌を使いながら動かれると、たやすく追いつめられてしまう。先に音を上げたのはこちらだった。 「待った。それ以上はやばい」 「今日は志摩くんのちょうだい」  そんなふうにねだられて断れる男がいるだろうか? 「もう出そう」 「気持ちよくなって」 「とっくにいかれてる」  荒い呼吸の間にうめくばかりだ。頭の中は駆け上がることだけ。俺は訴えた。 「いく……!」  欲望が弾ける。由良アヤカは流入がやむのを待って、ゴクンと喉を鳴らした。俺は、にわかには信じがたい現実にめまいを覚える。  ふう、と息をつく相手に声をかけた。 「大丈夫か?」  彼女はこちらを見てうなずいた。俺はつい本音を漏らす。 「すげぇよかった。骨抜き」 「ほんとストレートだね。キャラ違う」 「ぶっちゃけ、言うほうも照れる。でも、こういうのってちゃんと口にしなきゃだよな」  由良アヤカがじっと見つめる。あまり心情を吐露すると、怪訝に思われるかもしれない。  ごまかすように笑い、相手をベッドに寝かせて足を開かせた。 「するほうが中途半端になったな」 「それされると、あっという間に壊れちゃう」 「ゆっくりする」  秘部に顔を近付けて周囲から舐めていく。丹念に愛でたあと、亀裂を広げて内側も味わう。 「やあぁんっ」  細身がビクビク反応する。ひと舐めごとに、色っぽい喘ぎが聞こえる。彼女を感じさせないなんて、むしろどうすればできるんだ?  蜜をすすっても、また湧き出てくる。襞がヒクついて、俺をたまらなくさせた。
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