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青春という言葉
俺は入学式直後、ぼんやりと机に頬杖をついていた。
直後とは書いたが、実際には入学式があったのは昨日だ。
まあ、一日しかたっていないんだから直後といっていいだろう……なんて国語的な見解も、俺はあまりやりたくない。
そもそも国語自体大の苦手なのだ。
というか基本的に、俺は勉強全般が嫌いだった。
テレビを見たりゲームをやったりする方がよっぽどいい。
勉強に限らず、家庭科や道徳もダメだ。
クラスの男子の中には体育が好きな奴が多いみたいだけど、俺的にはただ面倒くさいだけだった。
つまり、体育も嫌いだ。
計算だの跳び箱だのマット運動だの主語と述語だの試験管の使い方だのなんて、将来何の役にたつんだ?
ああ、本当面倒くさい。
マジでヤになるわ。
一応頭で理解してはいるからテストではかなりいい点をとっているが、授業態度がまずいので、通知表でも、「よくできました」の欄にハンコが押されたり〇をつけられたりすることはない。
つまりは、できないのではなくやりたくないのだ。
方法やコツなんかは分かっているしテストの点もいいのだから、後は授業中にボケーッとしたり手遊びをしたり怠けたりとか言った事がなければテストばかりでなく通知表のほうもかなりイケるのだが、それをやる気がしないのだった。
授業中でも、考えるのは新しく発売される予定の漫画の最新刊とか、家に帰ってからやろうと思っているゲームとか、昨夜のお笑い番組のことばかりだ。
実験や計算なんて考えたこともないし、アピールのため教科書を広げておいたり先生の顔を見たりはするが、話までは聞く気になれなかった。
小学校の卒業式や、昨日の中学校入学式でも態度は同じだった。
背を伸ばすのがキツくてすぐ猫背になったり前かがみになったりしてしまうし、いかにも聞いていますといった表情をしていても、頭や気持ちのほうは家やゲームセンターや漫画をうっている古本屋や友達の家で遊ぶことばかり気が行っていた。
当然、校長の話の時も同じ。
あんなただ長いだけの話なんて、ボンヤリせずに聞けという方が無理なものだ。
とにかく俺は、中学生になったというのに、小学校の時とほとんど何も変わっていなかったのだ。
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