2.ハルの 『 恋物語 』

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「な 何を言い出すんだ! 俺たちは清らかな交際を……彼女がそれを望んだんだ。楽しかったよ、とても。お茶を飲んで、絵画展に行って。時にはプラネタリウムとかさ」 (行くとこ、間違えてるよーー) 「けれど……彼女はあまりに清らかすぎて修道院に入ってしまった」 (えええええ??????) 頭の中で、絶句。 (ハルもハルだけど、そのジュディってのも頭おかしいだろ! こんないい男そばにいて、修道院?) 「で、それっきりなの?」 「2週間くらいしてハガキが来たんだ。今いる修道院の世話してくれてる人が病気になったって。入院費に困ってるって言うから、金持って会ったよ」(ちょっと待て! なんだ、その展開は!) 「いくら渡したの!」 「その時は学費と生活費しかなかったから、取りあえずそれだけ」 リオの口はポカンと開きっ放し。 「それって……騙されたってこと?」 「何言ってんだよ! 彼女は真面目な子なんだ。勉強がある俺に悪いって、それきり会うのを諦めたくらいに真面目な子なんだよ」 (それを騙されたって世間では言うんだよ、ハル) この先輩はどんだけ世間の裏を見てないのか。 「相手の子。名前教えて。修道院の場所も」 「ジュディ・ゲイリー。修道院は聖フランシスコ修道院で隣町の……なんで聞くんだ?」 「別に。なんとなく。それからどうしたの?」 「しばらく体を動かすことで忘れようとして」 「それがテコンドー?」 「ああ。習いに行く金も無かったからパソコンで調べて」 「ちょっと待てよ! 話についていけない! ネットであんな技覚えたっていうの?」 危うく落とされそうになったのは、夕べ。意識もないこのハルに自分はやられたのか?   
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