3.画策

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「ハル?」 そっとドアを開けた。もしかしたらベッドに倒れこんでいるかもしれない。「おはよう!」 すっきりした顔のハルがそこにいた。 「お おはよ」 リオはなぜかドギマギしている。 「夕べさ」 「ん?」 「その……帰って来なかったろ? ちょっと心配してさ」 「ああ」 照れたような顔でハルは頭を掻いた。 「俺、やっちゃったよ」 (………………やっちゃったぁ!!!!!!????)  やらせるのが目的だったリオはなぜか慌てふためいている。 「やっちゃったの?」 「ああ、つい」 「そう、つい……」 「でも吐かずに済んだよ」 「??????」 「甘いっていうのに、結構酔うんだな。今度からシャンパンもワインも気をつけなくちゃ」  今のハルの言葉を頭で要約してみる。 1.ハルは、酔った。 2.ハルはやっちゃった。 3.つい 4.吐かずに済んだ 5.シャンパンもワインも気をつける 「ハル。聞きたいんだけど」 「なんだ?」 「夕べ、ロザリアとダンスしたの覚えてる?」 「やっぱり! クラクラ回ったような気がしてたんだ」 「じゃあ、ロザリアの部屋に行ったのは覚えてる?」 「朝起きたら彼女の部屋に寝てたよ。きっと酔った俺を介抱してくれたんだな。凄かったわ! って一言言われた。ずいぶん迷惑かけたんだと思う。失礼なことしちゃったな」 「ハル」 「なんだ、まだあるのか?」 「いや……なんでもない……」  今回リオが学んだことは、酒を飲ませたハルに何をしても無駄なんだってこと。 (ロザリアには可哀想なことをしちゃった……)  ミイラと一緒にされて、挙句の果てに何も覚えられてない…… そこでとんでもないことに気がついた。 『素敵だったわ! 彼って情熱的なのね』  ネットで覚えた? そう思って、 (僕はバカか!) とまたまた自分に突っ込んだ。ってことは…… (ハルッ!!!! あんた、無自覚に何人と寝てんだよっ!!!!)   
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