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最初の獲物
昔の朽ち果てた炭小屋を拠点として、毎日山深く入って行った。
「今日も獲物サァ取れなんだ!」
フト気付けば外にはチラチラと小雪が舞っていた。
「早い!」
男は囲炉裏に蒔きをくべて、暖を取りそのまま寝入って居た。
翌日、辺りは白く景色は一変して居た。
「しめた、これで野ウサギの足跡が分かる!」
男は野ウサギの足跡を見つけようと懸命だった。
一刻も過ぎたころ野ウサギの足跡を男は発見した。
男は慎重にその足跡を追った。
野ウサギは少し開けた場所にまだ毛代わり前か、茶色の姿が白い山の開けた場所をユックリと歩んで居た。
男は風の吹き具合を見て火縄銃を構えた。
風は野ウサギからは下へと吹いて居た、絶好の機会!
狙いを定めて男は野ウサギ目掛けて銃の引鉄を引いた。
山に銃声が木霊した。
野ウサギはピョンと跳ねたかと思うと地面にもんどりうって叩き付けられた。
「やった!」
男は野ウサギの首に鉈で切り込みを入れ脚を縛り腰に吊るして、次の獲物を探して居た。
陽が落ち、男はまた朽ち果てた炭焼き小屋に帰って来た。
今日の獲物は野ウサギ三匹、雉鳩二羽だった。
少ないけど、昨日までを考えれば、大量であった。
その晩男は野ウサギ三匹と雉鳩二羽の皮と羽を剥ぎ軽く囲炉裏で炙って軒下に吊るした。
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