C×Cレイン 02×記憶

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 この腐れ縁は小学一年生のころ、スーパーで迷子になった北崎を見つけてしまったときから始まった。  私はそのとき、おやつは二百円以内とお母さんに指定され、必死になってお菓子売り場で商品を選んでいた。  百円台の美味しいお菓子を単発で買うか、百円もしない駄菓子を複数買うか、非常に悩んでいた。  そうして、派手な装飾の箱が並ぶ棚と駄菓子屋と書かれたレトロなミニ看板が設置されている棚を行き来していると、ちらりと見覚えのある猫っ毛が視界を通りすぎた。  ふわっふわの、とても手触りが良さそうな髪の毛。  早い時期からスイミングスクールに通っていたせいで若干毛先が茶色っぽくなっていて、より猫を連想させていた。
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