C×Cレイン 02×記憶

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 我ながら天才だと思う。  よく小学一年生の頭脳でここまで機転を利かせられたものだ。  凄いぞ、私。  あの北崎が泣いているという事実はそのときの私にとってよっぽどの非常事態だったらしい。  天変地異が起こるのではないかと妙な不安にかられたのだと今では思う。 「仕方ねーな」  北崎は涙声を漏らしながら立ち上がった。  けれど、なかなか動こうとしなかったのでおっかなびっくり北崎の手を握ると、ぎゅっと痛いくらいの力が返ってくる。  私はそれを了承と見なし、総合カウンターへと北崎を連れて行った。
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