C×Cレイン 02×記憶

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「さ、帰るわよ」 「駄目」  不機嫌なお母さんに手を取られてためらいを見せると、お母さんはますます不機嫌な顔になった。  私はその視線を誘導するように北崎を一目見る。  北崎は借りてきた猫のように大人しく、ぼーっと足先を見つめながら椅子の上でじっとしていた。 「あら」  お母さんはそこでようやく北崎を認識したらしく、猫なで声でこう言った。 「怜央君じゃない」  ここで察しの良いお母さんは状況を把握し、店員さんにお礼と北崎を預かる旨を告げて、私といっしょに北崎も連れ出した。
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