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下駄箱に入ったラブレター。
世間の女子中学生であれば、ドキリと胸を高鳴らせるかもしれないけれど、私にとってはキリリと胃を軋ませるだけのアイテムでしかない。
時は放課後、ホームルームの直後で昇降口は人で溢れかえっていた。
塾がどうの部活がどうの今夜あるドラマもしくはアニメを見るか見ないか、様々な内容の会話が決して狭くはない空間に溢れる。
私の耳に聞こえないだけで、このラブレターにつづられた想いが実を結ぶか儚く散るかを予想するやり取りも行われているんだろう。
北崎のヤツめ、最近は大人しくなったと思ったのに。
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