C×Cレイン 02×記憶

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 私の察しの良さはお母さん譲りというわけだ。  当然そのまま帰りはせず、カウンターから少し離れた休憩用のベンチに座って北崎のお母さんを待つことになった。  店員さんにもそれは伝えているようだった。 「心細かったでしょう」  近くのフードコートに行き、お母さんは私たちにソフトクリームを買ってくれた。  私はちゃんとありがとうと言ったけど、北崎は何も言わず、ソフトクリームが目の前に出現するなり目を輝かせて黙々としゃぶるようにそれに食いついた。  私がそんな態度を取ろうものなら拳骨が落ちてくるのに、お母さんはそんな下品な北崎の様子をニコニコしながら見守っていた。
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