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「どんな傘？」
訊ねられて傘の特徴を説明する。
話を一通り聞いた先輩は傘立ての中から一本傘を取り出した。
「もしかしてこれに似てる？」
その傘は色は同じ紺色だけど、サイズが違った。
それに柄に別の人の名前が書いてある白いテープが巻かれていた。
「うん。色が似てる」
答えると先輩は眉間にシワを寄せながら一時考え込み、溜息まじりに言った。
「たぶんこの人が傘を間違えて持っていったんでしょうね。今日は仕方ないからこの傘使っていいと思う。後日また傘持ってきて返す感じで」
はい、と他の人の傘を手渡され、俺はおっかなびっくり受け取った。
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