C×Cメモリ

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「本当にありがとう」 「いえ、どういたしまして」  一時の緊張感から解放されて、心の中で一息つく。  そのあと、入り口の階段を上って改札前の待ち合わせスペースで明るい光に照らされて、自分たちの悲惨な状況を目の当たりにする。 「うわ。肩、結構濡れたな……」  溜息まじりの独り言のつもりだったのに、先輩はやっぱりとても優しい。 「タオル持ってるけど、使う?」  先輩は学生鞄から持参したタオルを取り出し、俺に渡そうとしてくれた。  そうしてようやく気づく。 「中学生……」
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