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どこからともなく出てきた北崎が、私のポロシャツと短パンという服装を見るなり大声でまくしたててきた。
左肩には通学鞄。
部活にも委員会にも所属していないくせに今まで何をしていたというんだ。
「……佐野、修正液取って」
「はい。どうぞ」
私は北崎を無視して、今の不意打ちではみ出た箇所を修正するべく手を動かした。
佐野も私の態度を見習ってか、北崎を視界に入れないように作業に没頭するふりをしていた。
先ほどと比べ手の動きにややぎこちなさが見え、佐野の動揺が知れる。
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