ハートのエースを目にした時に

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ハートのエースを目にした時に

高校三年の理系の晴一には彼女はいない。 恋には鈍感なのである。そういうことには全く気にしていない。 文章を読むのが嫌いで、国語は全然だめだったが、 数学だけは得意で全国模試では、いつも数学はトップをとっていた。 それゆえ、数学だけはどんな難問も解くということで、全校に名は知られていいた。 先生からは、優等生に思われている晴一だったが、いつもつるんでいる連中は、 不良ではないがまあ真面目とはいえない方で、なぜ彼らといつも遊んでいるのか不思議に思われていた。 そんな、学生生活を過ごしている中、女子から声を掛けられることがよくあった。 「晴一君、この問題の解き方、教えてくれる?」 窓際の晴一の机まで、入口からまっすぐいきなり入ってきた。 (だれだっけ、晴一君って馴れ馴れしすぎじゃないか? この子は、よそのクラスの子だよな。でも何でわざわざ。 まあ、数学だけは、学年トップって知れ渡ってるしかな) 「ここは、こういう風に補助線を入れて…、解くんだよ」 「わかったありがとう!」 そう言って彼女は、ウインクして出て行った。 「晴一、さっきのかわいい子は、隣のクラスの子だよな。いつの間に知り合いになっているんだよ」 「いや、知り合いじゃないよ。隣のクラスの子なのか? そのクラスに数学が得意なやついるだろ。これぐらいの問題なら、なんでわざわざ俺の所に聞きに来るんだよ」 彼女の振り返り際の横顔を見て、彼女のことを晴一は思い出した。 (そうだ!中学3年の時、臨海学校の同じ班でキャンプテントに居た子だ。 そういえば、映画もグループで一緒に見に行ったっけ。 名前は、たしか三条。 あいつも自分と同じ高校に来ていたのか!3年間も今の今まで知らなかった。 で、あのウインクのメッセージはどういう意味なのか?)
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