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奇妙なのは
それが船底の塗料であろうが
マストの木片であろうが
デッキに飾られた薔薇であろうが
頑丈に編まれた帆布であろうが
かつて生物であったモノ
例えば人間であったとしても
ここに沈殿物として落下して来る頃までには
すべてあらかた同じ形状の塵になり
その嫌な匂いや音まで
似通っていた
こんな所に匂いなどあって
どうなるものでもないのに
ミシ…
そもそも一体化してるのだから
あたりまえだけど
それは当然のような当然で
それは必然のような偶然
微粒子は時間の経過とともに沈澱する
し続けた
こんなに小さなものが
いったいどうやって
あの強大な水圧を掻い潜り
ここまで辿り着いたのだろう
それを見ない神の目をすり抜けるのか
誰の目も届かない所で生まれる渾沌
カッコーン…
ここは誰の目も届かない 海の底
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