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さて
その暗い海の底
この惑星の始まりからの海の底に
無限に広がる暗闇と反射
幽鬼と霊気漂う静寂と混沌
タナトスの磁場
あの探知機の様な音無き音は
遠い昔の音の残像やも知れぬ
カッコーン…カッコーン…
音の名残りに誘われ現れるは
大小さまざまな
船の影
潜水艦
帆船
漁船
旅客船
濁りの中静かに海中を彷徨う 船の名残り
貨物船
海洋調査船
揺ら揺ら揺れて 船の影
時の無常が笑いを誘う
給油船
巡視船
人間魚雷
文明の愚かさの証しもいまや
後悔と悲しみと焦燥の
原始の原子
パトスの残像
なぜに漂う船の影
カッコーン…
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