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ぴちゃり。 あぁ、いい音。 ぴちゃり。 あぁ、いい色。 私は彼に嘘をついた。 赤い服を着てるのは、何もあなたが絵を描いているからじゃないの。 ただ単純に、あなたのせいなのよ? あなたが愛しくて愛しくて殺したくて堪らないのに、あなたが私の心を捕らえて離してくれないから私はあなたを殺せないの。 あなたが愛しいから殺したいのに、 あなたが愛しいから殺せないなんて、 滑稽ね。 ほら、だからあなたのせいよ。 「助けっ!」 ぐしゃりと音をたてて見知らぬ男が壊れる。 あぁ、綺麗な赤色。 あなたのせいで、最近は服が赤じゃないと汚れるようになっちゃった。 …前まではこんなに壊さなくても耐えられたのに。 気が付けば、私の周りは人間だったモノと赤い水溜まりでいっぱいになっていた。 あぁ、あなたが私の『赤』に対する欲を掻き立てるから悪いのよ? だから責任をとって私のこと、絶対に手放さないで頂戴ね。
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