番外編 三萩と過去

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不規則な荒い息遣いが部屋に響く… 千寿はカタカタと震える手でシーツを握りしめ、横向きになって足を折り、身を小さくするように丸くなっていた。 上気して赤くなった頬を撫でてやれば、ギュッと閉じた瞼を震わせ顔を隠すように布団へ(うず)める 「…千寿。これ、あんま良くないか?」 少年のように滑らかで綺麗な細身に、挿し込まれた趣味の悪い形状のバイブは、絶えず騒がしい音を立てながらその中を犯していた。 溢れ出てくる愛液で抜けそうになっているそれを、グッと指先で押し込めば掠れた声を上げて鈍く体をヒクつかせる …これで6回目 散々痛いだの抜いてだの(うるさ)かった癖に、4回目ぐらいから喘ぎ声しか上げなくなった 言うだけ無駄だと諦めたのか。 それとも…体が快楽しか感じなくなったのか 「おーい、聞いてるか?早くイけよ。このバイブ、音うるせぇ」 「っ……も、ぃ…けな」 「さっきからメスイキしかしてねぇじゃん?イけるだろ」 虫の羽音みたいなバイブの持ち手を取った。自分の身体より知り尽くした、千寿のイイところに当たるように何度も打ち付ける 「あ"ッ…!や"ぁ"ッ!は ぐろッ…!」 嬉しそうに体を跳ねらせ、息を震わす ピンッと張り詰めた足先をガクガクと強張らせて、抑えきれなかった声が漏れる 「…気持ちいいか?」 体をヒクつかせ喘ぐばかりで返事はなく… 虚ろな瞳には溢れるぐらいに涙を溜めて、ずっと焦点が定まっていない。 「……いいだろ?気持ちいいって言ってみろ」 「んっ…ぁ、ッ……気 持ち、いい…?」 「前立腺か、それとも奥突いてほしいか?…どこがいい?」 「んッ…ンン……縡也(ことや)ぁ…」 不意に名前を呼ばれ顔を上げた。 中学の時は隣でよく見ていた…懐かしい、ふわっとした優しい笑みを浮かべて、抱きしめて欲しそうにこちらへと手を伸ばす… だがその瞳に色はなく、虚ろなままで何も映っていない。 「縡也が、欲しいッ…奥まで、ことやぁ…」 あぁ… 飛んじまったか こうなってしまえば…こいつは後のことを何も覚えていない。 残念ながら…これは千寿ではない。 寂しがりやで、人から愛されなければ生きていけない…Ωの本能そのものだ きゅうきゅうと気持ち良さそうに締め付ける玩具を抜き取り、ローションと愛液にまみれたそれを布団の横に投げ捨てた。 「あっ…ン……縡也っ、早く…さみし…」 「…急かすなよ、千寿…」 本当に…お前ズルいよ シャツを脱ぎ捨て、覆い被さるように顔を近づければ恍惚(こうこつ)としたその表情がキスをねだって唇を舌先でなぞる 自分から舌を入れようとはしない。 俺から入れて欲しくて仕方ないから そっと横顔に手を添えると、さも幸せそうに笑みを漏らした… …あぁ、ムカつくな こんだけ人のことを煽っといて、終わってしまえばいつも通りだ… 「俺だけじゃ物足りないだろ?奥にローター入れてやるよ」 「…縡也、早く…愛し、て」 …そう言って 今までどれだけ、そのとろけきった顔で相手に甘えてきたんだ 「…お前は満足できれば、誰だっていいんだろ」 ピンク色のローターを中へと押し込む。 それだけで千寿は小さく声を上げ、軽くイきそうになっては、必死にシーツを握りしめた。 …それを嘲笑うように足を大きく開かせ、続けざまに自身の肉を敏感になっている熱い中へ打ち付ける ヒュッ──っと苦しげに息を飲む音が響いた。 淫らな体を痙攣させ、強い快楽に目の前でバチバチと光が舞う 「ッチ…入れただけでイクなよ…終わるまで我慢してろ…」 「ゃあっ…!ごめッこ、とやぁ!んんッあ、つい…!壊 れッ───!」 達したばかりの体に、無理やり身を密着させる。 根本まで押し込んでは、わざと中に入っているローターをつついてその奥を刺激した あー…、すげぇ締まる… あと…もうちょい… 「…ッ千寿、中出すから…」 必死になって俺を受け入れようと耐えながら、千寿は確かに二回ほど頷いた。 …まぁ、これは千寿じゃねぇけど 「ふはっ…Ωってのはホント…最高に良くできたオナホだよな。誰にだって、簡単には足開いてよ…」 細い腰を捕まえ、その中に叩きつけると同時に…自身の欲を流し込んだ。
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