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月が赤く染る夜がある そんな赤い月の夜は 妖と呼ばれる者たちが住まう世界が、赤い月の向こう側に現れる。 妖たちは宴を開き、稀に、恩を受けた人を呼び寄せ、もてなす時がある しかし もてなしを受けた人は 二度と人の世界 こちら側へは戻って来れない… 妖の恩返し それは人にとっていいものなのか、悪いものなのか… それはもてなしを受ける人次第 こちら側で生きることを望むか、あちら側で生きることを望むか。 さて 私の望みはどちらなのか 答えが出ないままに、曖昧な時間は過ぎてゆく…
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