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その日は稽古も何も無い日
駅前広場から直ぐに家に向かう道ではなく
商店街へまっすぐ歩いていく
駅前広場からまっすぐひかれた通り
様々なものが揃う東急系スーパー
イトーヨーカドー系スーパー
更に昔ながらの商店があって
大抵のものはここで済んじゃう
洒落たものが欲しければ隣の市
電車で三分の街に行けばいいし…
そんな商店街の端っこに
どこか不思議で懐かしくて…そんなお店
自家焙煎の珈琲豆屋は…
ずっと前からあったかのようにあった
やっぱり…夢ではなくて現実で…
入り口横の看板にも同じ店名で…
下の方に小さく貼られた銀色のテープ
僅かな凹凸で「新宿」と読めた
…?元は新宿でお店していたの?
焙煎室ではスリムな男性が焙煎機の前で
(焙煎室と札が室内にあった)
焙煎したコーヒー豆を…?
笊の上にあけて広げて…
なんか選別してるの?
選んでダメなの?を…缶へ
そんな作業をしている…のを
窓から焙煎室を眺めてると…
その人と目があった
日本人だけど…なんとなーく
フランスあたりの渋めの俳優さんに似てる
うーん…名前なんだっけ?
この人こそはこのお店のマスターで
唯一無二の珈琲を作る珈琲職人だった
そして…私の珈琲に対する考えを変えた
そんな人だった
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