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「葵くん……指、何本入ってるかわかる?」
その問いに、入れられている指が一本ではないことを理解して、葵はこみ上げる恥ずかしさに耐えながら首を左右に振った。
「だいぶ、解れてきたよ……ここも、勃ってる」
「んあっ! あ、ん、んぅ」
下と同時に胸の突起に吸いつかれると、今まで以上に身体が跳ねて声が抑えられなくなってくる。
終わりの見えない快感に頭の中が真っ白になって、ぼーっとしてきたころ、急にそれらの感覚がなくなった。
「……ぁ……?」
葵が少しでも多く酸素を吸い込もうとしていると、一度身体を離した雅弥が枕の横から小さな正方形の袋を出して封を切っている姿が見えた。
その状況を理解しようとする前に、雅弥に両足を抱え直されてしまった。
「入れるよ……葵くん」
「あ、んっ……」
いつもよりも色っぽい声で雅弥が呟いたかと思うと、さっきまで指で弄られていた場所に、熱くて硬いものが入ってきて、葵は無意識に息を詰めてしまう。
「あっ……痛、い……もぅ、やだぁ」
「……キツっ……葵、くん……ゆっくり息吐いて」
完全に葵は泣いていたようで、慰めるように雅弥は優しい動きで葵の頬を撫でる。
「んぅ……あ……」
雅弥がさらにローションを垂らしたらしく痛みが和らいできたので、葵は言われた通りにゆっくりと呼吸をすると、中の圧迫感が増してくる。
「はぁ……大丈夫? 痛くない?」
大きく息を吐いた雅弥が、どこか安堵したような声で聞いてきたのにたいして、葵は小さく頷いた。
確かに最初に比べれば痛みは感じないけれど……何か変な感じがする。
「じゃあ……動くよ」
そう言って、雅弥が腰を引いて何度かゆっくりと行き来したかと思うと、次の瞬間には勢いよく奥まで割り込んできた。
「んあ、ああっ!」
その途端、さっきまでの変な感じが、電流のように一気に葵の身体中へと走り抜けていった。
「葵くん、ここがいいの?」
「あっ、やぁ、ああ、んぅ」
雅弥自身が深くまで入ったまま、小刻みな動きでそこを刺激されると、葵は何も答えられずに甘い声をあげるだけになってしまう。
そんな葵の様子に雅弥は確信したのか、その場所を集中的に攻めてくる。
「そろそろ……欲しい?」
喘ぎ続ける葵は、雅弥にそう聞かれてもなんのことだか考えるまで思考が働かない。
すると、いきなり雅弥が葵の腰と背中に腕を回したかと思うと、そのまま葵の身体を抱き起こした。
「あ、ああっ!」
当然、葵の身体は重力に逆らうことなく、雅弥へと全ての体重を預けてしまうことになる。
さっきよりも深い繋がりに、葵は怖くなって縋るように両手を雅弥の背中へと回し、しがみついた。
雅弥はそんな葵の後頭部を撫でながら、落ち着いた声で言った。
「ほら……そんなに強くしがみついてたら、血が吸えないよ」
(……え?……あ、そうか)
だんだんと当初の目的を思い出しかけた葵が腕の力を抜いて少し身体を離すと、僅かに首を横に倒した雅弥がまっすぐな首筋を葵の目の前に晒す。
「はい、いいよ」
「え、このまま……?」
葵の中でその存在感を主張し続ける雅弥自身に、何か落ち着かない気分になってしまう。
「入れたままじゃなきゃ、吸わせてあげない」
「おい……!」
(血を吸わせてもらえないなら、何のためにここまで恥ずかしさに耐えたと思ってるんだよ!)
そう抗議しようとした葵の唇に雅弥は軽く一度キスをすると、いつもの子供っぽい笑みを見せて言った。
「だから、このまま……ね?」
言いながら、さらに首筋を近づけられると、葵としてもこれ以上は何も言えなくなってしまう。
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