第2話 最大の依頼とか最悪な許婚とか聞いてねぇぞ

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 『神々の悪逆』  今から5億年前に起こったギリシア神界最大最悪の戦乱。  それが一体どのようにこの仕事に関わってくるというのか。ヴァルゼン様は真剣な眼差しで語り出した。 「大きな悪が平和を壊しに来るという未来運命神の予言があったんだ。それを聞いてルーナとジャルシェと僕は『神々の悪逆』の再来だと考えてる。あの戦乱の原因は未だに明白じゃない。だが、裏では神のうちの誰かが起こしたといわれている。だから誰が起こそうとしているのか、何の為に起こそうとしているのかを知る為に君に依頼したんだ。神が直々に動くことはできないし、お互いがお互いを疑ってどうにもならないからね」  なるほど、と俺は頷いた。それを考慮しながら情報収集をしなければならないということか。これは大変な仕事になりそうだ。俺はヴァルゼン様に向き直り、しっかりと自分の意思を示した。 「このシアノ・ラル、有力な情報を必ずや得て参ります」 「うん、お願いね。それとシアノ君、セリーネも同行させるからよろしくね」 「…………………………………は?」  ヴァルゼン様の最後の一言を聞いて俺は固まった。そんな俺の頭をを親父はばしっと一発叩いた。そして親父が我に返った俺に告げた。 「多くの国に行くんだ。しかもその国の王宮に入る理由が必要だろう」  おいおいおい。マジかよ。だからって、この女じゃなくてもいいと思うんだが……。そう思って、セリーネ姫をちらっと見ると凄く嫌そうな顔をしていた。  そんな嫌な顔して睨んできたって、俺は悪くねぇぞ。反論を言うならお前の親に言え。俺に責任を押し付けるな。可愛いし、一言も喋ってないのに、むかつくなこの女。  セリーネ姫が同行するだけでも驚きだったのに、更に驚きのことを親父とヴァルゼン様から告げられる。 「君たちを許婚にしたから」 「お前たちを許婚にしたから」 「「………………はああああああああ!?」」
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