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「暑いねえ・・・」
ホッキョクギツネのソラーラは、雪が点々と溶けている地面を歩いていた。
「何でこんなに暑いの?」
この時期にはここは1面の雪原であり、流氷で閉ざされた海と陸繋ぎとなり、毎年ソラーラはその上を駆け回って、逞しい雄の番を探しに右往左往したり、餌探ししたりしていたのだが・・・
「おかしいわ・・・おかしいわ・・・」
ホッキョクギツネのソラーラは、舌を垂らしてはっ!はっ!はっ!はっ!と口で息をしながら揚がり続ける体温を調節しながら、本来は雪原の砂利道を歩き回った。
ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ・・・
「本当にどうしちゃったんだ?!」
ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ・・・
歩けども、歩けども、歩けども、歩けども、ホッキョクギツネのソラーラの足元は土と砂利の大地。
「白い大地は?どこなの?白い大地は?あのひんやりとした、白い大地はどこなのよ?!」
ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ・・・
「白い大地は?どこなの?白い大地は?あのひんやりとした、白い大地はどこなのよ?!白い大地は?どこなの?白い大地は?あのひんやりとした、白い大地はどこなのよ?!」
ホッキョクギツネのソラーラは、まるで悪夢の中に居るような感情になり、
その取り出して涙ぐみながらうわ言の様に「白い大地は?どこなの?白い大地は?あのひんやりとした、白い大地はどこなのよ?!」と、喚きながらこの延々と続く残雪が点々と積もってる土と砂利の大地を歩いた。
まるで、夢遊病のように・・・
「白い大地は?どこなの?白い大地は?あのひんやりとした、白い大地はどこなのよ?!白い大地は?どこなの?白い大地は?あのひんやりとした、白い大地はどこなのよ?!」
ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ、ざっ・・・
「ひんやりが欲しい、ひんやりが欲しい、ひんやりが欲しい、ひんやりが欲しい、ひんやりが・・・」
ずしっ、ずしっ、ずしっ、ずしっ、ずしっ、ずしっ・・・
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