サバイバーショット

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 要は孫悟空だ。悪いことをすると頭の輪っかが引き締まって孫悟空が呻く緊箍児(きんこじ)の要領だ。    「たださあ、これ2組1セットで売られているわけよ、いまのところ2人でしか撃ち合いができないんだ」大沢は君たちも買え、とばかりに嘆いている。    「そっか、早打ちガンマンしかできないね。」誰かが呟く。    「まあ、試しにやってみよ」    ガンマン対決に選ばれたのは最近ギターを始めた瀬戸だった。    二人はサバイバーショットを装着し、背中合わせになる。   「ようし、1,2,3、で早撃ちだ。」    全員に緊張感が走る。    1,2,3、ガシューン!    (ジュルル、ガリガリシュイ―ンシュイ―ン)頭の振動装置が鳴り響く。    「うわああああーやられた!痛え、痛え」瀬戸が必死になって頭を押さえる。    やはり大沢の勝ちだ。さすが持ち主、この手の勝負に大沢はもってのほか強い。   瀬戸の頭の赤いランプが点滅し始めた。   「面白えー、俺も、俺も、やらして」みんなが群がった。
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