サバイバーショット

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 1980年代後半、今では高齢化が進む団地にもこの時はまだ黄色い声が溢れかえっていた。第2次ベビーブームというやつだ。    小学生までは近所の野球チームに入っていた僕も中学生になると、野球部は丸刈りにする、という不文律のせいで野球をやめてサッカー部に入った。しかしもう当然その年齢になるとみんなサッカーの技量が上手くとてもついていける状況じゃなかった。僕は早々とサッカー部をドロップアウトし、帰宅部になって毎日怠惰な生活を送っていた。    同じような輩はほかにもたくさんいるもんだ。   大沢はその1人でザ・帰宅部のリーダー的存在だった。プラモデルが上手で、絵もイラストも上手、機械いじりもお手の物だった。   そんな大沢の団地の家の下には不思議なほど同じような輩が集まって(たむろ)していた。   スケートボード、ローラースケートなどをしてはペプシを呷っていた。外にはラジカセを持っていき、ビ―スティーボーイズやマイケル・ジャクソンなどを聞いていた。
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