慟哭の見えざるもの達

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( もしかして、何かいるのかしら。 多分きっといるのね。) 私はテーブルの上にジュースを並べオヤツを置いて椅子に座り子供達を眺めた。 5歳の長男と1歳の次男だ。 怖がっている感じはしない。 だから安心して眺めていられる。 2人並んで手を自分の身体の前でお腹のあたりに合わせて、目をキリツと開いて口を閉じている。 視線は微動だにしない。 その時だった。 天井の上をまるで人が通ったような音がして、子供達の方から私の上を通り一直線に通り過ぎて行った。 「 え、何? 今の何?」 ( ネズミかな?猫かな?なんて音じゃなかった。 でも人だったらあんなスピードで行けるかしら?)
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