第4章 俺の事好きだよね

2/5

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
ぜーぜー言っている上野陽色は、それでも私の腕を放さなかった。 「利恋ちゃん。話がある。」 はぁはぁ言って、時には咳込んで。そんなに全力で走って来なくたって。胸がじーんとした。 「利恋ちゃん。さっき、俺の事好きだって言ったよね。」 「言ってない。」 「言ったでしょ!」 うーん。後ろで聞かれていたって言うのは、最大の汚点だわ。 「自分に素直になりなさい。」 上野陽色に偉そうに言われ、私はふいっと横を見た。 「利恋ちゃん。」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加