32人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
ぜーぜー言っている上野陽色は、それでも私の腕を放さなかった。
「利恋ちゃん。話がある。」
はぁはぁ言って、時には咳込んで。そんなに全力で走って来なくたって。胸がじーんとした。
「利恋ちゃん。さっき、俺の事好きだって言ったよね。」
「言ってない。」
「言ったでしょ!」
うーん。後ろで聞かれていたって言うのは、最大の汚点だわ。
「自分に素直になりなさい。」
上野陽色に偉そうに言われ、私はふいっと横を見た。
「利恋ちゃん。」
最初のコメントを投稿しよう!