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「今、失業中なんですよね?だったら、私が仕事に行っている間の家事と、この子の世話をお願いします。給料の代わりに家賃とかは払わなくていいですし、食事代も私が払うので」
あ、料理できますか?えへへ、と笑いながら言うみさとの肩に、俺は手をかけた。
「なんでしょ「おい。」
俺はきわめて冷たく、言い放った。
「俺は人間の敵のヴァンパイアだぞ?しかも男だ。何されるかわからない。それでもいいのか?」
みさとはしっかりと俺の目を見て頷いた。
「良いんですよ。貴方…ユウトさんは優しいみたいですし、なんていうかその…かわいいし」
「はぁ?」
この俺が?かわいい?1人パニクってる俺にみさとは一言。
「あの…料理できますか?」
みさとはそこがそんなに気になるらしい。そういえばさっきチラリと目に入ったキッチンはあまり使われていないようだった。…料理、苦手なのかな。
「ああ」
そういうと、みさとは笑顔を浮かべて手を差し出した。握手、ということなのだろうか。
「契約、成立ですね」
これからよろしくお願いします、と言うみさとに俺はよろしく、と短く返した。
かくして俺とみさとの、ヴァンパイアと人間の奇妙な同棲生活が始まったのである。
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