1 瀕死、そして出会い

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ズクリ。本能が膨らむ。血を、たっぷり吸いたい。そう。さっきのは応急処置程度だったのだ。まだ、足りない。黙り込んだ俺を不思議に思ったのか、女はこてり、と首を傾げた。くっそ。やめろ。歯止めが効かなくなる。そんな俺をよそに女は口を開く。 「また…血、ですか」 「ああ」 即答。女は少し黙り込んだ。首を傾げたことによって、白い首筋が露わになる。バリン。理性が砕けて飛び散った。 「ごめん」 気づけば俺はそう言って女の体を抱き寄せると、カプリと首筋に牙を立てた。
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