太陽の章

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太陽の章

浩之は座り込んで…こぶしを地面に叩きつけた… ふと見ると、さっきの女子高生がおいていったクリスマスプレゼントがころがっていた… 浩之は包みを開ける…中には白いマフラーと手紙が入っていた… (彼氏のプレゼントか…手紙?…携帯で連絡すればいいのに…古風だな…) 浩之は手紙を開ける… (なに!) 思わず声を上げる (浩之さん…メリークリスマス…ごめんなさい…想い出の場所にこれないかもしれない…ガン宣告うけました…もう手遅れ…たぶん逢えない…ほんとにごめんなさい…あなたとここで逢えたのは奇跡でした…天使が招いたんです…雪が天使の羽根にみえました…今日はあなたにクリスマスプレゼントを用意しました…浩美…十五年めのクリスマスプレゼントです…彼女にはずっとあなたのこと黙って育ててきました…でも時間がないと思い告白しあなたに逢ってくれることをお願いしました…浩美はサンタクロースになると言いました…もしお父さんが自分の想像する人でなかったらそのまま帰ると…あなた娘が編んだマフラー受け取って…) 手紙は文字が事切れていた (素子…素子…!) 涙声で叫ぶ浩之… (十五年めの素晴らしいクリスマスプレゼントありがとう……きみと浩美にプレゼント返さなきゃ…) 浩之は天使の羽根が降り注ぐ白い空を見上げる… 素子が微笑んでいる…(浩之…喫茶店であったかいコーヒー入れて待ってるわ…わたしはいないけど弟と浩美があなたを歓迎してくれるわ…メリークリスマス…) (素子…クリスマスイヴは過ぎたけどみんな待っててくれるよね) 素子の虚像がうなずき消えていく… (浩美…お返しのクリスマスプレゼント遅れるけど…ごめんね…) 天使の羽根が降りしきるなか浩之の目には朝日がみえた… 完
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