序章

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序章

 ねえさんは、天然色の夢を見ているんだよ。  大人たちはそう言った。  ねえさんは、しあわせなんだよ。おまえはすこうし、さびしいかもしれないけれど。  どうしてそんなことがわかるんだ。  ねえさんが、そう言ったわけでもないのに。  言いたくても言えない。  聞きたくても聞けない。  だってねえさんは、もう決して目を覚まさないのだから。
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