時の記念日

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ヘアドネーションとは 病気で髪が抜けてしまったりした 子供達への医療用ウィッグを作る為に カットした髪を寄付すること。 その言葉も、 そんな物があることも初めて知った。 里桜は4年前に髪を切ったときも ヘアドネーションをしたという。 子供は成長が早くすぐに ウィッグが合わなくなってしまい 購入する親の負担の軽減と 子供達が少しでも笑顔になれるようにと... 無償で必要な子供達へ届ける活動。 人工的に作られた髪と 本物の髪で作るウィッグはやっぱり 全然違い、より自然であるらしい。 里桜は自分の髪を見たときにすぐに その事を思い、しっかりとゴムで止めた。 里桜が行っている美容院は その活動に賛同しているので、 切った髪を送ってもらえるらしい。 ショックだっただろうに… 髪を切られる瞬間の音を 聞いた時里桜はどんな気持ち だったのか想像するだけで切ない。 それなのに… その自分の髪を 病気の子供達の為にと考えられる...。 俺はギューッと里桜を抱きしめて 『里桜…、俺は里桜を誇りに思うよ。 俺の奥さんは最高に優しい女性だ。ショートもめちゃくちゃ可愛いし、でも何だか少し大人っぽくなったな...?』 そう言って、少し離れて 里桜の顔を覗き込んで微笑むと 『ホント…?変じゃない?でも…、 どうしよう、選んだドレス似合わないかも…』 そんなこと…、ある訳ない どんなドレスだって 里桜は最高に似合うに決まってるーー。
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