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写真撮影の直前に
起こったアクシデント…
里桜のショックと動揺を感じ
俺は激しい胸の痛みをなんとか静めて
心から撮影とパーティーを
楽しめるようにユミにも協力してもらい
なんとか、里桜の気持ちを立て直した。
実際、里桜のショートは
見れば見るほどすごく似合っていて
細い首筋にドキドキする。
里桜もここまで短いのは
初めてで頭が軽いと言っていた。
『いやぁ...、ホントに良いかも。
俺、里桜のさらさらの長い髪も好きだけど、ショートでも何でも里桜が元気で俺の隣で笑っててくれれば...、それだけで俺は幸せだから。』
そう言ってキスをすると
『絋...、ありがとう...。』
と照れ臭そうに
微笑んで抱き着いてきた。
それから、遅くなったけど
ご飯を食べながら何度も里桜を見つめる。
『もう...、絋、見過ぎだからっ。』
『いや、ホントに見れば見るほど良いな... 』
里桜はお義父さんと二人暮しだった時も
肩より短くしたことは無かったと話した。
里桜の髪は本当に艶々サラサラで
子供の時から、朝起きても絡まったり
癖が付いたりすることが殆ど無かったらしい。
だから、お義父さんは朝もそんなに
苦労せずに二つに結んでくれたと言った。
でも、できるのは二つ結いだけ...
友達のお母さんみたいに
可愛く編み込みとかお団子とかは
出来なくて... ちょっと羨ましかったと。
それに、いつも左右の高さが
違ってたと懐かしそうに笑う...
お義父さんが四苦八苦しながら
小さな里桜の髪を結う姿を想像した。
俺には...、出来ないな......
25歳という若さで里桜を一人で
育ててきたお義父さんの苦労を思うと.
これから
里桜と二人で親孝行をしていきたいーー。
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