時の記念日

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ஐ.。.:*・゚:. ஐ .。.:*・゚ ஐ.。.:*・゚ ஐ.。.:*・゚ 〝絋... 〟 〝絋...?起きて...... 〟 〝朝だよ〜、起きて? 〟 んっ? 薄らと目を開けて右手で里桜の 頬を包むと〝チュッ〟とキスをされた。 〝ふふっ、おはよっ... 〟 里桜はいつも先に起きて 朝食を用意してから起こしに来る。 寝惚けている俺に、朝は里桜から キスをしてくれる確率が高いから 俺は目が覚めていても 寝た振りをしてベッドで待ってる。 笑いながら 可愛く起こされると 幸せ過ぎて悶絶する...、心の中で。 里桜につられて〝フッ〟と笑うと 『起きた?朝ごはん食べよ?』 グイッと里桜の手を引いて抱きしめる。 『おはよう...。 今日も可愛いな?体調はどう?』 『ふふっ、絶好調だよ?』 『良かった...!』 いよいよ、今日だ。 『絋、34歳のお誕生日おめでとう! 今日は... 〝時の記念日〟だね?ふふっ。』 『ははっ、そうだな?良く覚えてたな?』 『もちろんっ!だって今日は私たちが初めて… 出会った日で...、本当に〝時の記念日〟ってピッタリだもん。』 20年前の今日... 6歳の里桜と14歳の俺は出会った。 ほんの一瞬だけ。 それから何年も経って お互いに知らないうちに再会をしていて そのことに気付いたのは...、去年だ。 俺達は、運命の赤い糸で 結ばれていたんだと信じているーー。
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