君を思う気持ち

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君を思う気持ち

ベッドから出て 洗面所で顔を洗って鏡を見た。 今日の為に みんなが動いてくれている。 上手くいくかな... ふと不安になり緊張してきた。 リビングへ行き奥のキッチンを見ると、 鼻歌を歌いながら朝食の準備をしている里桜。 俺が選んだエプロンをして キッチンの上の窓から 光が斜めに入り里桜にあたっている。 あぁ…、やっぱり天使だ。 俺の視線を感じたのか クルッと後ろを向いて微笑む。 『ふふっ、なあに?』 『いや...?綺麗だな...って思って。』 『もう、やめて...?恥ずかしい...』 いつも里桜は褒めると赤くなって照れる。 いい加減...、慣れろよ? 俺は毎日言うよ? 里桜が消えた一昨年の11月。 俺は死ぬほど後悔をした 自分の気持ちを伝えなかったこと。 里桜への想いを伝えられずに まさか...、居なくなるなんて 想像もしていなかった自分に呆れた。 事故で親父を亡くしたのに... 人間なんて呆気なく二度と 会えなくなることも知っていたのに... だから俺は里桜に関しては絶対に 後回しにはしないでどんなに些細な ことでも想ったことは伝えようと決めた。 里桜が恥ずかしがろうと 今まで絶対に言ったことのない 歯の浮くような言葉も 里桜に対してだけは言える。 なぜなら、里桜は... 心から愛する女性(ひと)で俺の全てだからーー。
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