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ホテルへ着くと
担当の女性が出迎えてくれた。
『川島様、お待ちしておりました。
本日はどうぞ宜しくお願い致します。』
『おはようございます。
今日は、宜しくお願いします。』
俺が挨拶をしてから
里桜も続けて挨拶をして
『お天気が良くて、本当に良かったです!
外での撮影もバッチリですね。』
とニッコリと笑って俺を見た。
本当に…、良かった…。
今日の最後に里桜が喜ぶ
オプションを一つだけお願いしている。
里桜は雑談をしながら
着付けをする部屋へ通されると...
『里桜さん、今日のメインの着付けと
ヘアメイクは別の者が担当させて頂きます。』
すげぇ、ドキドキする。
里桜を見つめると
不思議そうにその女性を見ていた。
『えっ... 』
そりゃあ、そうだろう。
衣装選びからずっと一緒だった彼女が
全て担当してくれると思っていたからな...。
里桜は意味が分からない
といった表情で俺を見上げると
里桜の背後のドアからユミが現れた。
チラッと里桜の背後に視線を移すと
それに気付いた里桜が後ろを向いた。
『本日、担当させて頂きます。
宜しくお願い致します。』
ユミが深く頭を下げながら言うと
声で何か気付いたのか少し頭を傾けて
深くお辞儀をしているユミを見ている。
ユミがゆっくりと体を上に戻していくと
『えっ......?! 』
〝バッ〟っと一度俺を見てから
口元を両手で覆いユミを見つめる。
『えっ、信じられない...、どうして......?』
『里桜っ、結婚おめでとう!
やっと会って言えたよ〜。約束でしょ?』
えっ......?
『約束したじゃん…、里桜が結婚する時は
私が可愛い花嫁にしてあげるって。』
ユミがにっこり笑って言うと
里桜の目は涙でいっぱいになったーー。
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