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『あっ、里桜!私ちょっと...
行かないといけないから後でね?』
『えっ?う、うん。わかった...。』
おいっ、ユミ、唐突だなっ!下手かよ。
『では...、ゆっくりと
あちらへ行ってみましょうか。』
ずっと一緒にいてくれた
いつもの担当の女性が自然に言った。
里桜が不思議そうに
『あっちには何があるんですか...?』
『素敵な中庭と小さなゲストハウスがありますから、せっかくお天気も良いのでこのまま少しお散歩しましょう。』
さすがだ...
『でも...、時間が...... 』
里桜はアヤカさんの
お店に行く時間を気にしていて
お義父さんとカイトも
ホテルのロビーで待っていると思っていた。
『里桜、大丈夫だよ。まだ時間はあるから
少しだけ行ってみようか?』
『ホント?大丈夫...?』
『ははっ、大丈夫!さぁ、行こう。』
大丈夫だとわかると
にっこり笑って手を繋いできた。
ユミが着替える時間を考えて
少しゆっくりと中庭から進んで行くと
『えっ...、可愛い〜。こんな素敵な建物が奥にあったなんて知らなかった...。』
あくまでもウェディングフォトのみだと
思っていたから、ホテルの施設は特に気に
していなかったらしい。
『どうぞ、中へ入って見ませんか?』
ホントに自然に...
『えっ...?!いいんですか?』
『里桜、せっかくだから中も見てみようか。』
『うん!中も可愛いのかな...?』
中へ入ると明るくて小さなエントランス。
『えっ...、何...?これは...... 』
そこには、
沖縄で撮った写真がたくさん飾られ
そして...、挙式の映像が流れていたーー。
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