2324人が本棚に入れています
本棚に追加
固まっている里桜...
ギュッと手を握り
少し屈んで里桜の顔をみる。
目をパチパチさせて
『えっ...、なんで... えっ?これ... 私たちの.....』
ジーッと映像を見ている里桜。
『里桜...?』
『絋...、なんだろ... これ...。どうして?』
『里桜...、さぁ、行こう。』
俺は里桜の腰に
手を添えて進むように促した。
でも、固まっている里桜の足は
なかなか動かない...
『里桜?みんな、待ってるよ。』
『えっ?みんな...って...?』
里桜はやっと〝バッ〟っと俺を見上げる。
里桜に笑いかけると
スタッフさんが開けてくれたドアから
ゆっくりとゲストハウスの中へと視線を移す。
頭を振って
言葉にならない程驚いて涙が溢れ落ちた。
〝どうして...、信じられない...... 〟
息が苦しそうにしている里桜の
腰にグッと力を入れて抱えると
こっちを見て
『絋...、もう... もう...!うぅ... 』
と泣きながら微笑んだ。
『俺は、何もしてないんだけど...
みんなが里桜の幸せな姿を見たいって...
自然とこうなったんだよ。』
パーティー会場へ足を踏み入れると
みんなから
〝結婚、おめでとう!〟
〝里桜〜、可愛い〜〜っ 〟
〝川島っ、里桜ちゃんを離すなよっ!〟
〝里桜、おめでとう。幸せになるのよ?〟
みんな今までのことを知っているから
色んなことを思い出して涙ぐんでいる...
里桜もたくさんの祝福を受けて
更に泣きながらみんなの中へと進み
用意されていた俺たちの席へ着くと
ユミがマイクを持ち話し出したーー。
最初のコメントを投稿しよう!