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『里桜...、ビックリさせてごめんね?』
小さく頭を振り
ユミを見ている里桜。
『今日のこのパーティーは私のワガママから始まったようなものです。先生から里桜の花嫁姿をお父さんに見せたいと聞いた時…、〝ずるいっ、私だって見たいし!〟って思って。』
みんながドッっと笑うと
里桜も泣きながら笑っていた。
『そして、会社にまでワガママを言い…。
昔、二人でした〝私が里桜を可愛い花嫁さんにする〟という約束を果たしに来ました。その話をミサトとサキさんにしたら、二人もひと目見たいとワガママを言いだし… 』
サキとミサトちゃんも
顔を合わせて笑っている。
『でっ!最終的に... こうなりました!』
会場に向けて片手を大きく開いた。
『ここにいる全員が里桜の幸せを願い...
〝先生、何してんの?早く掴まえなよ!〟って
ヤキモキしてたと思います。
今日、本当に里桜の幸せをこの目で確認できたから、これからは毎日ぐっすり眠れます。』
カズやリョウ、清水達が
〝そうだ!そうだ!!〟って囃した。
ホントに俺もそうだと思うよ…
里桜の手をギュッと包み、心の中で
〝もっと…、もっと早く
君を想う気持ちを伝えていたら… 〟
そう思って
自分の不甲斐なさに後悔しかない。
里桜はそんな俺の気持ちに気付いたのか
俺の手を握り返しニッコリと笑ってくれた。
あぁ…、やっぱり里桜には敵わないーー。
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